摂食嚥下の食塊輸送や咽頭への送り込み、発声でも重要な役割を持つのが舌です。
飲み込みというと舌骨上筋群のトレーニングも重要ですが舌を鍛えることで飲み込みも強化されます。舌の「動き」と「力」のトレーニングを紹介します。
① 舌の可動域訓練
目的 食塊の保持 形成 送り込み 咀嚼に必要な舌の可動域を得る
方法 1舌を出来るだけ前方に突出する 出来るだけ後方に後退する
2舌の後方部を出来るだけ高く挙上する
3舌尖部を上歯の裏の歯茎に向かって出来るだけ高く挙上する
4舌を左右口角につける
自分で動かせる範囲が狭くあまり動かせない場合は舌を口腔ケア用のガーゼを用いて把持したり、舌吸引器具を使って把持すると他動的にしっかりと動かすことが出来ます。(最大可動域で1〜2秒保持したあとに緩める)
②舌の抵抗訓練
目的 食塊形成、咀嚼、送り込みに必要な舌筋力を鍛える
方法① 1 開口したままで舌の先で歯茎を押すような感じで挙上する
2 下降し、再度挙上を繰り返す
方法② 1 スプーンの背などを使って舌を押す、押すのに抵抗して舌を挙上する
2 下降し、再度挙上を繰り返す
3 挙上を一定時間保持する
なかなか意識して動かす事のない筋トレなので最初は難しいです。
器具を使う場合はペコパンダ(JMS)を使って挙上訓練も出来ます
ペコパンダは、SS~Hまで硬さが違うものが選べてそれぞれ違う力の負荷をかけることが出来ます。
今回は舌の「動き」と「力」のトレーニングについて見てきました。
舌は味蕾と呼ばれる味覚を感じる感覚の面でも活躍します、舌の汚れのお話は別の機会で説明します。
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