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虫歯の進行

「虫歯は削る必要がないと判明」というインパクトのある記事があったので読んで見ました。シドニー大学の研究で削って詰め物をするグループとオーラルケアというフッ素塗布やシュガーコントロールをするグループに分けて虫歯の経過を観察したそうです、するとオーラルケアのグループの方が虫歯の減少率が高く、無理に削らなくても良いという結論になりました。 ただ小さな虫歯に限られたことで大きく穴が空いてしまった虫歯は従来通りの方法で治した方が良いとのことです。


インターネットに限らず、テレビなどのメディアの表現はインパクトを出すため大げさなものが多いので誤解を招きやすいです。 初期虫歯があったら早期に治療は遠い昔の歯科の常識でしたが、お口の中の環境が改善されて適切に口腔のケアがされていれば急激に虫歯が進行することは無いと言うことを言っているのだと思います。個人的には、お手入れのし難い歯と歯の間は初期でも穴が空いていたら治療した方が良いと思います。ただお口の中の環境が常にバイ菌に晒されている方は虫歯の進行ももちろん早くなるので注意が必要です。


 

虫歯の進行


歯医者さんに行くと小さい虫歯が見つかり、何度も通院を余儀なくされる方も多いと思います。学校の歯科検診もそうですが、上記に記述したように早期に治療する必要がないケースも多いです。

虫歯の進行は表面の脱灰から始まり、外側のエナメル質、その内側に象牙質、さらに歯髄と呼ばれる神経血管の入っている管と続きます。

歯の表面の脱灰だけで実質欠損(穴が空いている状態)が無い状態はCO

エナメル質内での実質欠損がC1、象牙質まで達するとC2、歯髄まで達するとC3と呼ばれます。この内C2くらいにならないとしみる、痛いなどの症状はほぼ出ません、またC3まで拡がっていたとしてもたまに痛むくらいですむ場合もあります。


歯は皮膚などと違い自然に治癒することはありませんので、レントゲンでわかる明らかな虫歯や穴が空いてしまった部分に関してはもとに戻らないので治療は必要です。

ただ少し黒いだけで穴があいてないCOと呼ばれる虫歯は削らない方が良いです


早期発見早期治療は大事だと思いますが、オーバートリートメントと言ってやりすぎな治療は良くないと考えていますので患者さんには様子をみましょうと言う事を伝える場合があります。



虫歯の進行
虫歯の進行

 

虫歯の進行を表す記号


CO:要観察歯 歯の咬合面の溝が黒いもの 白く白濁したもの 黒い点 

→ 中で広がっている可能性もあるのでレントゲンなどで診査して治療するか予防処置に留めるか確認します


C1:歯の実質欠損を伴うものは自然治癒はしないので特別な理由がない限り早めに治療したほうが良いです


C2:神経に近い場合は治療後も症状が出るが、2次象牙質の生成も期待できるので神経の保存に努めたほうが良いです


C3:虫歯が神経まで広がった状態で、強いしみや自発痛などの症状が出る。神経を保存する治療も可能だが症状が続く場合は神経を取る抜髄と呼ばれる処置をします


C4:歯冠が崩壊して根っこだけになった状態。神経がない歯や腐ってしまった歯が多く症状は出にくいが根っこの先端まで感染すると強い痛みが出る場合があります


 

まとめると、溝が着色しているだけの初期の虫歯は削らないほうが良いです、再石灰化が期待出来ますし人工物に置き換える事で負のスパイラルに陥ることになります。

だだし口腔内の環境の悪い方(歯ブラシが出来ていない、唾液の作用が弱い、食生活のバランスやタイミングが悪いなど)は注意が必要です。

実質欠損(穴が空いている状態)では再石灰化は期待出来ないので早期に治療することで進行を食い止められます。ただし人工物で置き換えているだけなのでミクロな隙間から感染するリスクが高まります。


やはりプラークコントロールをしっかりとおこない、口腔内の状態を良好に保つのが重要です。





デンタルレントゲン
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